コミッショニングレターVol.19 No.7(7月号)

2022/07/13掲載

2022年度 CxTE講習会

第11回となる講習会を、昨年度に引き続きコロナ禍の状況を考慮して、「Zoom」によるオンラインで開催致します。機能性能試験や設備運転適性化などの検証業務を実行するCx専門技術者として、スキルと資質を修得できる講習会です。設備設計施工に携わる技術者、運転管理の技術者、エネマネ事業に携わる方、建築設備の勉強をされている学生の方等、全国各地からのご参加をお待ちしております。

 

第11回 BSCA CxTE 講習会【講習プログラム】WEB開催(全国)

  講習日時 : 2022年 826日(金)

  開催時間 : 9:0016:30 ZOOMを利用したオンライン講習会

  参加定員 : 60名 (ZOOM最大100名)

  参加費用 

個人正会員:AB両方受講の場合 10,000円,AのみBのみ片方受講の場合5,000

※賛助会員企業からは2名まで受講費無料、3名目から上記の受講料となります。

一般   :AB両方受講の場合 20,000円,AのみBのみ片方受講の場合15,000

※学生の方 AB両方でも片方でも5,000

  講習会プログラム

講習項目

時間

講師

講習概要

受付

9:00~9:15

15

CxTE-Aに申し込まれた方の参加確認と通信状況確認

はじめに

9:15~9:20

5

司会進行:上谷勝洋(東洋熱工業)

スケジュール・留意事項等について

講習1

CxTE-A

講習

 

9:20-10:10

50

計測技術 

上谷 勝洋 (東洋熱工業)

TE-Aの業務全般の解説と、必要な計測技術とそのレベルを具体的に理解する。

10:15-11:05

50

性能検証事例(水系性能検証)

三浦 克弘 (鹿島建設)

実際の空調システムにおける水系・空気系システムの例を示しながら、性能検証のためデータ分析手法についての具体的な技能について理解する。

11:10-12:00

50

性能検証事例(空気系性能検証)

田上 賢一 (新菱冷熱工業)

講習2

Cx過程

全体講習

13:15-14:00

45

TE-A,Bの定義

Cx業務過程全般について

上谷 勝洋 (東洋熱工業)

TE-ABの業務区分・要求技能についての概要と、

Cxプロセス全般について、その基礎知識について解説し理解を求める。この講習はTE-ABとも受講が必須です。

講習3 

CxTE-B

講習

 

14:05-14:45

40

TE-B業務フロー概要

中村 北斗 (梓設計)

TE-Bは大量のデータを扱う整理・分析に加えて、シミュレーション技能も要求される。本講義ではまずTE-Bに課せられる資質を、可視化手法を通して理解する。

14:50-15:35

45

データ整理・可視化分析

山田 一樹(日建設計総合研究所)

Cx共通形式、データ整理業務フローを説明して、Cxにおけるデータ整理・分析業務の手順について、デモを通じて理解する。

15:40-16:25

45

シミュレーション技術

山田 一樹(日建設計総合研究所)

Cxでのシミュレーション活用の意義を解説して、デモを通じて内容を理解する。

* TE-Aは講習12TE-Bは講習23の受講が必要です。TE-ATE-Bの両方を受講することもできます。

 この講習は「建築 CPD 制度認定対象プログラム」「空気調和・衛生工学会CPDシステム」 対象プログラム

です。各CPD登録者は、受講会場の受付で、CPDの申告をしてください。

空気調和・衛生工学会 シンポジウムのご案内

2030GHG 46%削減へのコミッショニングの貢献」

 空気調和衛生工学会のコミッショニング委員会とBSCAが連携し日本におけるコミッショニング(Cx)の在り方について先導的な研究を展開し、研究ベースの多くのCx事例を蓄積するとともに、さまざまな普及活動に努めてきました。

 コミッショニング委員会では①Cxの価値訴求によるCxの普及を目指した詳細便益の調査、②ZEBで必須となる外壁気密性能の検証方法の検討、③Cxの高度化を目指した設計や運用の各Cxフェーズにおける空調シミュレーション結果の妥当性評価方法の検討、効率的なCx実施を目指した実測データ前処理ツール(海外製を含む)の調査・評価等に取り組んできました。今回のシンポジウムではこれらの活動成果を報告するとともに、総合討論では参加者の皆さまからも建設的なご意見を頂き、より充実した成果取りまとめに結び付けていきたいと考えています。

 また、委員会成果発表のほかに、建築研究所の澤地孝男理事長をお招きし、新築・改修に加えて大幅な運用改善も待ったなしの状況となった2030年温室効果ガス46%削減に向けた課題と、Cxに対する期待をご講演いただく予定であり、すべての建築関係者の中期的ベクトルを定めるうえでも大変参考になると考えています。

 

主催      空気調和・衛生工学会 コミッショニング委員会

開催日  令和4825日(木)13001830

会場      空気調和・衛生工学会 会議室およびZoomウェビナーを利用したオンライン

(重要)現在のところ会場での聴講も予定しておりますが、新型コロナの感染状況によっては主催者判断によりオンラインのみに変更とさせていただく場合がございます。その際は会場聴講申込の方もオンラインでのお申込とさせていただきますので、予めご了承の上お申込み願います。

定員      学会会議室40名、オンライン60

参加費  会員2,000円 一般3,000円 学生1,000円(税込)

※本催しは賛助会員・協賛団体会員の方でも当学会の正会員(個人会員)でない場合は一般となります。ご注意ください。

       

      申し込み方法、プログラム等は下記の空気調和衛生工学会HPをご覧ください。

http://www.shasej.org/bosyu/2207/symposium20220825/symposium20220825.html

 

CxPE座談会報告 関西(その2) 第3回

建築設備コミッショニング協会(BSCA)では、「Cxの普及並びにCxPEの活躍方法に関する意見交換会」としてCxPE座談会を東京1回)、関西(2回)にて実施いたしました。Cxレターでは全3回のCxPE座談会で議論された内容を下記の通り9回にわけてお伝えします。

今月号はCxPE座談会(関西その2)の第3回目の内容をお伝えします。

 

Cxレター20222月号 CxPE座談会 関西その1 1回目

Cxレター20223月号 CxPE座談会 関西その1 2回目

Cxレター20224月号 CxPE座談会 関西その1 3回目

Cxレター20225月号 CxPE座談会 関西その2 1回目

Cxレター20226月号 CxPE座談会 関西その2 2回目

Cxレター2022年7月号 CxPE座談会 関西その2 3回目

Cxレター20228月号 CxPE座談会 東京1回目

Cxレター20229月号 CxPE座談会 東京2回目

Cxレター202210月号 CxPE座談会 東京3回目

 

 

CxPE座談会(関西その2) 参加者―

大石晶彦(㈱大林組)、木虎久隆(関西電力㈱)、高橋直樹(㈱日建設計総合研究所)、西山満(日建設計コンストラクション・マネジメント㈱)、一坪剛史(㈱きんでん)、前田龍紀(㈱竹中工務店)、松下直幹(㈱コミッショニング企画)、山口弘雅(関西電力㈱)、吉田治典(BSCA理事長)、柳原隆司(BSCA副理事長)、オブザーバー参加・髙浦敬之(元 京都駅ビル開発㈱)

 

CxPE座談会 関西その2 2回目の討議事項と主な意見

 CxPE座談会関西(その22回目では、発注者側からの意見とCxの形態に関する議論を中心にお届けしました。今回は議事録やOPRなどのドキュメンテーション並びに設計主旨説明の必要性に関する議論をお届けします。

 

[吉田]  Cxを行う際にはドキュメンテーションがすごく重要であり、それが出来る人がなかなかいない。23時間の会議で技術的なディスカッションを行うことはできてもディスカッション内容を文書化しておかないと話すだけで消えてしまう。

[柳原]  ある程度技術を解った人が議事録を取り、その議事録を要約出来る人が必要だが、適任者はなかなかいない。会議では専門用語が出てくるので、会議にでず録音だけを聞いて議事録を書くことは無理なので、ある程度、技術力を持った人が議事録をとり、それを集約する人が必要である。

[柳原] OPRに結びつけようとすると議事録だけではダメである。議事録を取れる人はいると思うが、それをOPRまで昇華するという事は難しい。

[高浦]  成果物として色々な調査報告書やレポートが必要な事案を発注したことがあるが、データや会議のテープ起こしのような議事録が付いただけの成果品が納品されることが多々あった。上司に説明できないので、いつも自分で全て書き直した。現実は、それでコンサルだと銘打ってお金を取っているところがたくさんある。設計者、施工者ともすぐに図面を出して口頭で説明する。文章を重要視しないし、文章を書けない人が大半だと思う。

[松下] 私はCxのレポート・報告書を作成する場合は、最初に要点・結論を短くまとめてできるだけ定量的な概算値も示し、その後に各要点の詳細説明や結論に至る経緯などを章・節立てして詳しく解説するという形にしている。最初の要点・結論部分で上司の方に大枠に内容として説明できるようにしておく。さらに、詳細説明・経緯の部分は、設備のプロフェッショナルが技術面だけでなく、その他の判断要因についても記載する。関係するあらゆる立場の人にCxの成果を伝えるのもCxFの能力であり、これができなければ淘汰されるのだと思う。

[吉田]  Cxに関わらず、調査報告書的なものを見ても解らないことが多い。データと調査内容だけがある、報告書のエキスがどこに書かれているのかほとんどの場合解らない。それが出来るのがCxPEではないかと思う。

[松下] 設計図書もそうである。本来、設計者は、設計図だけでなく、設計主旨を示した文書も出すべきだと思うが、発注者・CMTから指示しなければ作成しないし、作成したとしても不十分な内容のものも多い。こうした中で、現在私が担当しているゼネコンの設計施工のプロジェクトでは、ゼネコンの設計者が作成する設計主旨書のレベルが非常に高かった。設計主旨がしっかり示された文書があると、関係者に設計の考え方が伝わり、施工や運用の精度が上がる。

[柳原]  普通、設計主旨書は出てこない。図面と仕様書が出てきておしまいになる。この図面で何が言いたいのかが、そこがいつも抜けている。ここが日本の建設業のまずいところである。設計者がその図面が意図するところをキチンと書いていないので、施工者も適当に想像してしまう。特に計装メーカが勝手に解釈している事が多い。

[松下] 前述のプロジェクトでは、設計主旨が反映されている計装の部分は、別途自動制御仕様書を作成し主旨が正確に伝わるようにした。

[柳原] 今は自動制御フローチャートが書ける人がほとんどいない。計装メーカもパターン化された計装図を作図してくる。そうすると設計者の意図がわからなくなる。設計担当者にどのような意図で機器仕様、自動制御内容を決定したかを説明させることが重要だと考える。

[高浦]  建築設備を構築する上で自動制御設備は重要だと言われているが、建設における計装メーカの立場が低いと思う。退職したので自分の手では実現はできなかったが、京都駅ビル2次側空調改修工事において、計装メーカに自動制御設備を直接発注できれば良かったと考えている。計装メーカをCxメンバーとして入れるような発注形態にして、Cxを通じて色々な問題点等を整理出来れば良かったと思う。従来の日本の設計・施工体制では計装メーカの地位が低く、会議でも口を閉ざしてしまいがちである。このような状況を変えられるのがCxではないだろうか。

 

[山口] 一般的なオーナーはCxのメリットを理解していないことが多い。一般的なオーナーにとっては費用対効果が全てであり、効果を保証されるのかどうか、どれだけ利益がでるかが全てだと思う。Cxはプロセスであり、結果を保証することは出来ないので、オーナーが安心してCxを発注出来るようにするためにどうしたらよいかを考える必要があるが、ここが一番難しい。

[高浦]  結果を保証するとなると請ける側が目標を下げ、無いかもしれないリスクまで見積に反映するものだ。オーナーが責任を取ると言えばそれですむ話で、今まででも工期や在庫を理由にオーナーは合法的に責任をとらされている。個人で責任をとることは発生しないと思う。

[柳原]  国交省の規定には建築設備が適正に運用されていることをCxにて検証しなければならないと書かれている。

[高浦]  国交省のCx規定に罰則的なものはあるのだろうか。建物の省エネ性能を確保するために建築物省エネ法が施行されたように、今後、基準は厳しくなってゆくはずである。もっと基準を厳しくすればよいと思う。企業はこぞって脱炭素、SDGs等で目標を掲げており、エネルギー消費量を削減することが利益を上げる事の次に大事であるという状況を作れば、前進するのではないか。

[柳原] そのうち背に腹はかえられず、法律で建物のエネルギー使用量上限を設け、法律で縛るということになると思うが、この基準をクリアするためにはCxを実行しないと実現できないという時代が来ると思う。

 

CxPE座談会 関西その2 要約

 

CxPE座談会関西その2では主に下記項目に関してディスカッションを行い、意見が出されました。

Cx業務委託書(雛形)の必要性

 ・Cx業務委託書(雛形)はCxを広げるために有効と思われる。

 ・オーナーにCxのメリットを説明するには、実績や結果が重要である。

□発注者側からのCxに対する意見

 ・実体験によりCxの有効性は理解している。今後建物リニューアルにおいて、老朽取替等の従来のビジネスモデルから、その時点で建物が要求される性能を実現するというビジネスモデルへの転換が必要である。Cxはこのビジネスモデル転換に必要なプロセスである。

Cxと文章化

Cxのみならず、各種プロジェクトにおいて文書化は重要であるが、的確に実施されているとは言い難い。

・文書化はCxPEがシッカリと対応できるはずである。

・設計意図を図面と文書で示すことがプロジェクトを成功させるために非常に重要である。

 □Cxにおける自動制御の重要性

・自動制御の専門家を設計フェーズのCx会議に入れるべきである。

 

参加者の皆様から様々な意見が出され、BSCAにとって有意義な座談会となりました。レター編集長として参加者の方々に御礼申し上げます(大石)。

 

「偲び草」 吉田新一氏を偲ぶ

                                                                                          名誉理事長 中原信生 

理事長の吉田治典先生より吉田新一さんの訃報が報じられました。会費納入通知への返信としてご家族より伝えられたとのことでした。吉田さんらしい謙虚な報じられかたでした。氏と筆者との交流はコミッショングを通じてにほぼ限られますが、生前の氏のプロフィルの一部を紹介して氏の霊前に供えたいと思います。

 アメリカ大使館のコミッショニング

 ASHRAEよりコミッショニングなる概念の情報を得て、学会のある集まりでコミッショニングの実施例の経験談を聞こう、と言うことになって、アメリカ大使館新築工事での、コミッショニングを受けた側の体験として、新日本空調におられた吉田新一さんに講師に来て頂いた。今の言葉で言う、当初コミッショニングプロセスの生々しい体験を語って頂くつもりであったが、語られた内容は試運転調整時点のコミッショニング手続きに関連する話が多かったように記憶する。ASHRAECommissioning Guidelineに記された格調高いコミッショニングプロセスとの落差に落胆する一方、試運転調整とコミッショニングとの取り合いがコミッショニングの一つの焦点ならむ、と予告するものであったが、吉田さんご自身も後日、コミッショニングの活動に参加されたのちも試運転調整(TABTesting and Balancing>或いはTASTesting, Balancing and Start-up>、後日BSCAで定義した用語)が氏の中心的テーマであり、機能性能試験(FPTFunctional Performance Testing>)との折り合い付けが向後の氏のテーマであったと推察される。それが証拠に、学会活動の最晩年において、試運転調整ガイドライン策定の委員会の委員長を勤められ、コミッショニングプロセス、或いは機能性能試験との調和の下の試運転調整のガイドラインの試案を作られたものである。

 あのとき講師に来て頂いた集まりが、省エネルギー委員会であったか、BEMS委員会のコミッショニング基本指針策定WGであったか記憶が定かではないが、何れにしても1990年代の後半のことで、これが我が国に於ける建築設備コミッショングの夜明けと言ってよいでしょう。

 

縁の下の力持ち

 コミッショニング基本指針を受けて2000年度に空気調和・衛生工学会内にコミッショニング委員会を設立して普及促進のための下地作りを行うこととなり、吉田氏も委員のお一人として入って頂き、施工側からの意見を抽入して頂くこととなった。20043月に成果物である「建築設備の性能検証過程指針」が完成し、4月に普及促進のためのNPO法人を立ち上げることとなり、事務局を学会事務室の一隅に仮住まいして発足した。事務局はその後、理事長(筆者)の活動に便なるように名古屋の筆者の事務所内への仮住まい、名古屋市内のマンションの一室への移転、さらには貸事務所への移転を経て、理事長の交代(関西在籍の吉田教授へ)の機に現在の充実した事務局体制へと変遷した。

 その間にNPO法人の行事の推進は、企画・運営部会を組織して活動の企画・推進を図ったのであったが、総会の運営、会場の設定、部会会議の会場提供、など東京の会社の要職者に頼ることが多く、特に吉田氏の所属する新日本空調㈱の会議室を無償で借用する便宜を図って頂いたり、空気調和・衛生工学会の大会会場の、企業・大学・団体の展示パネルの出展に当たってその作成と設営など、事案の発案、取りまとめ、製作・現地の取り付け、保守などに吉田氏の力に依存するところが大きかった。

 とくに思い出されるのは、長野県茅野市の同社の研究所に合宿して実施したCxPE制定とカリキュラムと試験制度の検討会である。風光明媚な場所での作業はいつまでも思い出に残る。吉田氏の会社での立場を利用しての施設利用には大いにお世話のなったことに改めてお礼を述べるとともに、同社のご厚意に深甚の謝意を表するものである。

 

コミッショニングレター

BSCA会員へのPRや各種の情報発信の手段として、機関誌を立ち上げようということになり、コミッショニングレターと名付けて吉田氏が編集を引き受けてくださることになった。10年間くらいは吉田氏と筆者とで内容充実化の努力を重ね、筆者はコミッショニングプロセスに関する啓蒙記事を自由投稿として提供し、吉田氏がその他全体の話題の収集と調整を図られたが。会員数の増大や行事の多角化に伴い、氏の発案で数名の編集担当者が輪番で編集に携わることとなり、やがて編集委員長自体を現在の大石氏に譲られたことは、諸兄の知るところである。

 

新春座談会

コミッショニングレターの一月号は新春放談会として、理事を中心とする有志からなるメンバーの時事放談号となってきたが、これも吉田編集長の発案によるものである。内容は発言者の自己責任であるが、トピックの採用、取り上げ方、それに対する発言者の多様な思想開示、まさに編集そのものである発言順序の調整など、一年の休みも無く煩雑な作業を敢えて提案し、座談風に仕上げられたものであった。

 

秋田駒ヶ岳

2014年の空気調和・衛生工学会大会(学術講演会)は秋田大学で開催された。講演会終了後、筆者は同伴の妻と角舘から田沢湖に遊び、その後登山バスで駒ヶ岳八合目に登り、できる範囲で散策をする積りでバスに揺られていると、多分、乳頭温泉への分かれ道と思わる停留所から年配のご夫婦が乗って来られた。ふと顔を上げると、吉田新一さんが奥様とご一緒に立っておられたものである。冒頭のリュック姿のお写真はその時のものである。板についたリュック姿はマラソンで鍛えた身体能力の高さを彷彿させるものであった。八合目についてお二人はちょっと行ってきます、と山道を登って行かれた。その時は未だ元気であった私も時間のある限りは、と続こうとしたが、吉田夫人よりはずっと高年齢の妻の体力を慮って駐車場付近で時を過ごすことにした。さて吉田ご夫妻はどこまで登られたであろうか、その話は遂に聞きそびれてしまった。筆者はその後、東野、花巻、平泉を回って帰名した。

 

 

第一回APCBC

香港のコミッショニングセンター(今は名称と組織が変わっているかもしれない)を立ち上げられたC.F. Wong氏と語らって東アジア・環太平洋地域におけるコミッショニングの普及のために、国際会議をシリーズ化しようということになってAPCBCAsia Pacific Conference on Building Commissioning)を立ち上げることとなり、第一回を深圳で、IEA/Annex47の延長上にあったICEBO2006との併催で2006116日に開催された。APCBCグループは名古屋と東京から参加し香港に集合、Wong氏らと意見交換、その後吉田さんをツアーガイドとして香港島を展望する海辺を散策し乾杯して会議に備えた。写真は若かりし頃の吉田氏と柳原氏(現副理事長)で、乾杯!と叫ぶ声の聞こえてきそうな溢れる笑顔である。この会議の模様はコミッショニングレターのVol.3 No.12に報告されている。

 

合掌

故人のBSCAへの貢献にまつわる挿話を紹介させて頂いた。吉田新一さん、安らかにおやすみください。また逢う日まで。

活動実績 活動予定 他

◆協会活動実績 (2022/6)

202268日(水) ACSES/Cx公開ワークショップ(第2回)

2022615日(水)  2022年度 第2回企画・運営委員会

◆協会活動予定 (2022/7~2022/)

20227月7日(木) ACSES/Cx公開ワークショップ(第3回)

2022818日(木) ACSES/Cx公開ワークショップ(第4回)

2022826日(水)  2022年度 CxTE講習会

◆編集長より

    先月号で、すこしずつアフターコロナに移行して行く実感が湧いてきたと書きましたが「第7波」の感染拡大がおきつつあると報じられています。「第6波」を大きく上回る感染拡大が予想されており、また、自粛生活に戻ってしまうかもしれないと思うと落ち込んでしまいます。「第7波」が小波で終わるよう祈りたい気持ちです。

 

   ◆企画制作

編集長:大石(建築設備コミッショニング協会 企画運営委員)

 WEB版作成:小澤(建築設備コミッショニング協会 事務局)

 

※本誌に掲載した著作物の著作権は、特定非営利活動法人建築設備コミッショニング協会が所有します。許可無く複写転用することをお断りいたします。

お問合せメール:bsca_mail@bsca.or.jp(アットマークを半角に)

 

前の記事へ戻る 一覧へ 次の記事へ
PAGETOP