2016年BSCA Cx事例紹介シンポジウムin関西 

※お申込みの受付は終了致しました。

2016/01/04 掲載

 

コミッショニングの実施には建築や建築設備システムの性能に関する幅広い知識だけではなく、コミッショニングに特化した特有の資質と経験をもつ技術者が不可欠であると考え、BSCAでは、2009年からCxPE資格認証制度を、2012年からはCxTE登録制度の運用を開始し、技術者の育成を行っています(現在、CxPE資格者 61名、CxTE登録者47名)。さらに、これら個人を対象とした制度に加え、コミッショニング業務を遂行する組織(企業等)を対象にして、2015年4月から新たにコミッショニング事業者(CxF:Cx Firm)登録制度も開始しました(現在、8社が登録)。
BSCAは、これらの個人・組織向けの諸制度を活用して、コミッショニング業務を設計や工事の質を高めるサービス業務の一環ではなく、独立の事業として実施されることを目指しており、今回のシンポジウムでは、こうしたコミッショニング事例を中心に発表して頂きます。発表者のほとんどは、CxPE資格者、CxTE登録者です。
なお、本シンポジウムは、「建築CPD制度認定対象プログラム」、「空気調和・衛生工学会CPDシステム」の対象プログラムとして申請する予定です。

開催報告

2月19日に大阪市中央区北浜の「エル・おおさか」で、Cx事例紹介シンポジウムin関西を開催し、建物オーナー、ビル管理、設計事務所、ゼネコン、サブコン、自動制御メーカ他、様々な業種の方々、79名に参加いただきました。今回のシンポジウムでの発表事例は、BSCAの講習会でCxを学び、Cxプロセスを正しく理解されているCxPE資格者、CxTE登録者が携わったプロジェクトに限定しています。この目的は、Cxは、「ビルシステムの実性能の持つべき要求性能を規定し、新築ビル導入や既築ビル運用においてその実性能が要求性能や基準に合致しているかを検証して記録し、合致していなければ改善するといった品質志向のプロセス」であり、一般の省エネ対策とは違うということを理解してもらうというところにありました。今回にシンポジウムでは、その主旨に合った内容のものであり、大いに参加者の参考になったと思います。また、講演は、技術面の発表だけでなく、建物オーナーが費用対効果の観点でCxの効用を話されたり、「設計内容を第三者の立場で検証レビューを行う設計Cxは、日本では受入れられない」といわれがちであるなか、設計者自身が設計業務とCxを並行して実施するメリットを述べられるなど、今後日本においてもCxがビジネスとして成立を予感させるような内容でした。Cx実施事例の発表後に行われた講演者と参加者とのディスカッションでは、予定の30分をオーバーするほど質問応答や意見交換がなされ、盛況のうちに終えました。

シンポジウム趣旨説明 シンポジウム開催の趣旨説明
 BSCA理事長・京都大学名誉教授 吉田理事長
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Cx事例1(新築):京都駅ビル熱源・空調設備改修工事Cxプロジェクト(施工フェーズ) 【プロジェクト概要】
環境モデル都市・京都を代表するビルを目指し、約60%という大幅な省CO2を図る改修プロジェクトであり、コミッショニングはBSCA受託して、企画・設計フェーズから導入され、現在、施工フェーズを実施中である。 本格的に全フェーズにCxを適用し100年建築を実現する新奇性が評価され、国土交通省の平成26年度第2回省CO2先導事業として採択されている。
【講演者と題目】
 1) Cxの経過と概要(15分)
   BSCA_CxPE 吉田治典 (前出) <CMT・CA>
 2) 建物オーナーからみたCxの効果・効用(15分)
   髙浦敬之 (京都駅ビル開発・常務取締役) <オーナー>
 3) 設計者からみたCxの効果・効用(15分)
   牛尾智秋 (日建設計) <設計者>
 4) 施工者からみたCxの効果・効用(15分)
   BSCA CxTE 山口淳志 (高砂熱学工業) <施工者>
 5) BEMS・自動制御システム構築のCx(20分)
   BSCA CxTE 松下直幹 (BSCA CxF アレフネット) <CMT>
 6) 機能性能試験の計画と実施方法(10分)
   BSCA CxPE 西山 満 (日本生命) <CMT>
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Cx事例2(既存):ヨンデンビル新館における継続的なコミッショニングの取り組みと成果 【プロジェクト概要】
ヨンデンビル新館は、四国電力の新本社ビルとして2004年3月に竣工し、その後10 年間にわたり、四国電力グループ関係者(建物利用者、建物所有者・維持管理者、設計者)とBSCAにより、段階的にコミッショニング体制(CMT)を構築し、実測データを基にしたシミュレーション解析による省エネルギー評価を継続的に実施することで、運用方法の最適化等に取組んだ。本プロジェクトは、2015年第15回空気調和・衛生工学会特別賞十年賞を受賞した。
【講演者と題目】
 1) プロジェクトの概要(10分)
   BSCA CxPE 安岡稔弘(四電技術コンサルタント)
 2) ヨンデンビル新館の設計コンセプト・設備概要 (10分)
   BSCA CxTE 小林陽一 (安井建築設計事務所)
 3)  10年間に亘るコミッショニングの取り組みと検証結果 (20分)
   BSCA CxTE  天野雄一朗 (四国電力)
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Cx事例3(既存・継続):大阪中央病院のコミッショニングの取り組みと運転管理者の役割 【プロジェクト概要】
 CxF登録を行っている関西電力・アレフネットが、関西電力グループのMIDファシリティマネジメントの運転管理業務受託案件である大阪中央病院で実施した既存・運用コミッショニングである。運転管理者が主体的にCxプロジェクトに参画することにより、無駄のないCx業務を進められた事例であり、運転管理者が、通常のビル管理業務の付加価値としてCxを行うことのメリットを示した。
【講演者と題目】
 1) プロジェクトの概要・調査フェーズ(初期)の業務(10分)
  BSCA CxTE 高松紅美子 (BSCA CxF 関西電力)
 2)  調査フェーズ(詳細)の業務(15分)
  BSCA CxTE 西 勇樹 (BSCA CxF アレフネット)
 3)  対策実施フェーズの業務と運転管理者の役割(15分)
  BSCA CxTE 中道広行 (MIDファシリティマネジメント)
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Cx事例4(新築): 真庭市庁舎におけるオールバイオマス熱源の検証 【プロジェクト概要】
 本庁舎は、岡山県の山間部に位置する真庭市の新庁舎として平成22年に竣工した木質バイオマスを熱源エネルギーに活用した建物である。このシステムは、平成21年度地域新エネルギー等導入促進対策費補助金(NEPC:一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会)を受けており、5年間の実測結果報告を行った。バイオマスエネルギーをより活かす空調方式を採用し、快適な環境が得られおり、今年度までの消費量データより、岡山県の庁舎平均値の約65%減となっており、大きな省エネ効果が出ている。
【講演者と題目】
 1) プロジェクトの概要
 2) バイオマスエネルギーの紹介
 3) 室内環境実測・5年間にわたるバイオマスエネルギー消費の実態と効果
   永田久子(東畑建築設計事務所)
   BSCA CxTE 岡本茂(東畑建築設計事務所)
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イベント概要

開催案内 開催案内はこちら
開催日程 2016年2月19日(金) 13時30分~18時00分(13:00~受付開始)
開催場所 エル・おおさか 本館5F 視聴覚室
(住所:〒540-0031 大阪府大阪市 中央区北浜東3−14)
定員 80名
参加費(会員) 4,000円(個人会員及び賛助会員の組織に所属する人)
参加費(一般) 6,000円
申し込み締切り 2016年2月15日(月)
主催 NPO法人 建築設備コミッショニング協会
協賛 (公社)空気調和・衛生工学会、(一社)建築設備技術者協会、(一社) 建築設備綜合協会、(一財) ヒートポンプ・蓄熱センター、(一社)日本ビルヂング協会連合会、(一社)ESCO推進協議会、(一社)関西ESCO協会、NPO法人地中熱利用促進協議会、(一社)日本建築学会
13:30-13:40 シンポジウム趣旨説明
  吉田治典(BSCA理事長 京都大学名誉教授)
13:40-15:10 Cx事例1(新築):京都駅ビル熱源・空調設備改修工事Cxプロジェクト(施工フェーズ)
 1) Cxの経過と概要(15分)
    BSCA_CxPE 吉田治典 (前出) <CMT・CA>
 2) 建物オーナーからみたCxの効果・効用(15分)
    髙浦敬之 (京都駅ビル開発・常務取締役) <オーナー>
 3) 設計者からみたCxの効果・効用(15分)
    牛尾智秋 (日建設計) <設計者>
 4) 施工者からみたCxの効果・効用(15分)
    BSCA CxTE 山口淳志 (高砂熱学工業) <施工者>
 5) BEMS・自動制御システム構築のCx(20分)
    BSCA CxTE 松下直幹 (BSCA CxF アレフネット) <CMT>
 6) 機能性能試験の計画と実施方法(10分)
    BSCA CxPE 西山 満 (日本生命) <CMT>
15:10-15:20 休憩
15:20-16:00 Cx事例2(既存):ヨンデンビル新館における継続的なコミッショニングの取り組みと成果
 1) プロジェクトの概要(10分)
   BSCA CxPE 安岡稔弘(四電技術コンサルタント)
 2) ヨンデンビル新館の設計コンセプト・設備概要 (10分)
   BSCA CxTE 小林陽一 (安井建築設計事務所)
 3)  10年間に亘るコミッショニングの取り組みと検証結果 (20分)
   BSCA CxTE  天野雄一朗 (四国電力)
16:00-16:40 Cx事例3(既存・継続):大阪中央病院のコミッショニングの取り組みと運転管理者の役割
 1) プロジェクトの概要・調査フェーズのBEMSデータ分析業務(10分)
   BSCA CxTE 高松紅美子 (BSCA CxF 関西電力)
 2) 調査フェーズにおける業務概要(15分)
   BSCA CxTE 西 勇樹 (BSCA CxF アレフネット)
 3) 対策実施フェーズの業務概要と運転管理者の役割(15分)
   BSCA CxTE 中道広行 (MIDファシリティマネジメント)
16:40-17:20 Cx事例4(新築):真庭市庁舎におけるオールバイオマス熱源の検証
 1) プロジェクトの概要
 2) バイオマスエネルギーの紹介
 3) 室内環境実測・5年間にわたるバイオマスエネルギー消費の実態と効果
   永田久子(東畑建築設計事務所)
   BSCA CxTE 岡本茂(東畑建築設計事務所)
17:20-18:00 ディスカッション 
 コーディネーター 吉田治典(前出)
18:30-20:30 シンポジウム終了後に、技術交流会を開催いたします。
 ・ 場所: 未定
 ・ 会費: 4,000円程度
 ・ 参加予定者: 講演者、BSCA関係者、シンポジウム出席者の中の希望者
詳細が決まりましたら、追ってご案内いたします。
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