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トップページ > ご挨拶

 環境問題が深刻化する中で、健康的な室内環境や省エネルギー性の確保 には、空気調和設備を中心とする建築設備の設計・生産・維持保全を通じ たライフサイクルに亘る品質確保が必要です。また、これは循環型・省エ ネルギー型社会への移行を目指す我が国において健全な社会的ストックの 確保の上からも重要な課題となってきていることは周知の通りであります。

 新築や改築をする建物の建築設備の品質確保には、その達成すべき環境 品質とエネルギー性能を明確にし、企画・設計・施工・運用の各段階でこ れを的確に実現するコミッショニング(性能検証)過程を適用することの重 要性が認識されて参りました。ここに、新築建物のコミッショニング過程 とは、主として室内環境や省エネルギー性の観点から建物使用者の求める要求性能を定義し、これを実現するために設計・施工・竣工引渡し時の各過程を通して、関係者の判断、行為に対する助言・査閲・確認を行い、必要かつ十分な文書化と機能性能試験を実施し、維持管理におけるシステム運転の適正化の推進に寄与するものです。それにより、当初オーナーの求めた水準の衛生的・健康的・快適な室内環境を確保し、省エネルギー化と環境負荷の削減による地域・地球環境保全への貢献、建物の使い易さと保守性を確保し長寿命化を確実にすることを目的とします。

 私たちはこの重要課題を日本社会に訴え、これに対応する技術的側面からの受入れ環境と体制とを整備するために、空気調和・衛生工学会による「建築設備の性能検証過程指針」の制定(2004年3月)を受け、これを日本に定着させる活動を展開し、建物所有者、設計者、工事施工者、維持管理技術者などへの普及啓発活動、実務的な実行指針や技術基準の確立、人材育成活動を実施する活動団体として、NPO法人 建築設備コミッショニング協会を設立しました。

 協会の活動は、公的・私的資金を導入しつつ行うコミッショニング概念の普及啓発活動、技術基盤整備のための先導的実プロジェクトのコミッショニング業務受託、コミッショニングの在り方検討やツール開発などの調査研究受託ないし自主研究、これらより派生する経験に裏打ちされたプロセス実行文書モデルや機能性能試験実行ツールの作成と整備、外国の標準規格・基準文書の翻訳整備、並びに当協会の標準コミッショニングマニュアルの作成などを行うほか、国際的活動としてはIEAのAnnex活動、米国NCBC(全米コミッショニング会議)などへの参加、環太平洋ビルコミッショニング会議の開催や日中環境技術交流の推進などの国際交流を活性化して参りました。そして広く新設・既設システムを含めたコミッショニングを対象とする新しい職能であるコミッショニング技術者資格の体系化を行い、これに即した資格・教育・訓練制度を提案し2009年度以降その資格認証活動を開始しました。コミッショニングのこの資格制度は、わが国で未成熟な、建築設備生産・維持管理における、環境とエネルギー性能の検証プロセスの実行による、ライフサイクルに亘る性能の確実な確保・適正化への課題を見据えたものであります。

 折から本年3月、歴史的にも稀有なスケールの大地震と大津波を伴った東日本大震災が惹起し、原子力発電所を含む発電所の事故を伴って電力不足の波が関東・東北に漲り、さらに全国的に波及する勢いであります。これにより我が国は将来のエネルギーシステムを始め、社会経済の変革、国の繁栄の在り方そのものに見直しが迫られました。最大多数の人間の幸福を目的とした社会システム作りを目指すためには、少ない資源と自然の脅威の下にありながらもこの美しくも快適な日本の自然を守り人心を安定させるにも、居住環境の最適化と環境汚染の極小化を目指すべきであり、その具体的手段であり思想でもある省エネルギーを達成し、これを恒常的に実現するためには建築環境とエネルギー性能の最適な生産と適正な維持管理が必要であり、それを実現するものが私達の提唱するライフサイクルに亘るコミッショニングプロセスの適用であります。

 私達は内外の関連産業や諸団体との協力、緊密な情報交流や共同研究などを通して、実際にコミッショニング事業を展開する企業・団体を支援するための活動を推進し社会に貢献して参ります。どうか設立の趣旨をご理解の上、広く皆様の温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。


2011年5月16日  特定非営利活動法人 建築設備コミッショニング協会
理事長  中原 信生


特定非営利活動法人 建築設備コミッショニング協会
〒464-0848 名古屋市千種区春岡1-4-8 ESSE池下906