コミッショニングレター2026年4月号(Vol.23)
2026/04/01掲載
第22期通常総会について
特定非営利活動法人建築設備コミッショニング協会の第22期通常総会と講演会および技術交流会を下記の通り開催致しますので、ご案内申し上げます。今年度も昨年に引き続き、現地とWEB併用で開催いたします。
なお、総会後の特別講演会及び技術交流会につきましては、正会員以外の皆様にもご参加いただけます。御多忙中とは存じますが、お誘い合わせの上ご参加ください。
日時 2026年5月13日(水)14時00分 ~
定員 60名
主催 建築設備コミッショニング協会
場所 TKP新橋カンファレンスセンター(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング)
<講演会会場:カンファレンスルーム15B(15階)、技術交流会会場:ホール14D(14階)>
スケジュール
1.通常総会 14:00~14:50
2.特別講演会 15:00~16:45
講演会1 15:00~15:45
「ウェルネスオフィスの効果検証」
林 立也(千葉大学大学院 教授)
講演会2 16:00~16:45
「IEAの活動、役割-国際機関としての役割とプレゼンス(仮)」
永富 悠(一般財団法人 日本エネルギー経済研究所)
3.技術交流会 17:00~19:00
有料:1名様 6,000円(*但し、賛助会員 各法人1名を無料とします)
HPが準備出来次第、メール等でご案内差し上げます。
BSCAシンポジウム 開催報告
2026年3月4日(水)にBSCAシンポジウム「コミッショニングで実現する既存ビルの省エネ―診断ツールから日米の最新事例まで―」 が会場参加とオンラインのハイブリッド方式で開催されました。
建築設備コミッショニング協会では、国土交通省のご支援・ご協力のもと、令和6年度にCxプロセスの有用性を建物所有者にご理解いただき活用していただくことを目的に「建物所有者向けの建築設備コミッショニングガイドライン」を作成いたしました。
今年度は、上記ガイドラインを活用し建物所有者の方々にCxの有用性を理解していただくための広報活動を行いました。また、Cxプロセスを既存建物へ活用していただくために必要なツール、文書、情報の整備をし、さらにCx実施体制の強化についての検討を行いました。
シンポジウムでは広報活動の概要やCx実施判断の目安となる建物診断ツール、既存建物Cxプロセス活用の事例やCx先進国である米国でのCx事情について紹介しました。
1. 趣旨説明 赤司泰義(BSCA副理事長、東京大学教授)
建築設備コミッショニング協会の活動紹介と、令和7年度 国土交通省補助事業および取り組み概要が説明されました。
2. 建物所有者へのCx広報活動 浅利直記(森ビル(株))
建物所有者に対するコミッショニング(Cx)の普及・広報活動が紹介されました。主な取り組みは、セミナーの開催、ガイドライン(令和6年度作成)の自治体への周知、建物所有者向けホームページ開設について紹介され、各取り組みの詳細が説明されました。令和7年度の活動により既存ビルでのCx普及には、Cxに関するさらなる情報提供、CxF(コミッショニング事業者)の拡充、Cxに取り組むきっかけづくりが必要との結論が示されました。
3. 建物所有者のためのCx事例、Cx文書事例、建物診断ツール 高草智(㈱森村設計)
建物オーナーがCx導入を決断する際のハードルを下げることを目的とし、Cx事例の紹介、オーナーが作成すべき文書類のテンプレート作成及びサンプル提供、 Cx導入に向けた建物状況把握ツールの開発を行ったことが紹介されました。
4. 米国でのCx事情および国内Cx普及のための実施体制強化 奥宮正哉(BSCA理事長、名古屋大学名誉教授)
Cxプロセスが普及するためのCx資格者及びCx事業者の拡充を目的として、米国のCx事業者の資格や活動の調査、他の民間資格の普及要因に関する調査、BSCAのCx資格者の活用検討、Cx資格者の拡充と研修方法の検討を行ったことが紹介され、各調査、検討の詳細説明が行われました。
Cxの普及のためには、制度的裏付けの強化(国家資格化や省庁認可、法的要件への組み込みなど)、市場形成と資格制度の連携(資格取得とビジネス機会をセットで提供する仕組)、 実践的な人材育成(ビジネスとして展開できるスキルを習得する研修機会の提供)が不可欠であると報告されました。
5. 空気調和・衛生工学会コミッショニング賞の紹介 浅利直記(森ビル(株))
令和5年に設立されたコミッショニング賞の概要並びに過去の受賞例が紹介されました。
6. 質疑応答・ディスカッション
講演終了後に赤司氏、浅利氏、高草氏、奥宮氏が演壇にあがり、会場参加者およびWEB参加者より質疑応答を行いました。主な質疑回答は以下の通りです。
Q:Cxを行う際の元設計者、施工者の責任回避方法についてお考えを聞かせて頂きたい。
A:Cxは元設計のあらさがしをするわけではなく、設計内容(設計想定)と現実との乖離をうめる作業と考えている。元設計者にもCxに参加いただき、チームでCxを実施すると得られる効果が高いと考えている。
Q:賃貸物件では投資はオーナー、利益はテナントになる。投資回収年数に関して共用部の比率はどの程度か知見があれば、お教え頂きたい。
A:改修項目ごとの投資回収年数はある程度実例があるが、部位別の投資回収年数に関するデータは持ち合わせていない。
Q:製薬工場はエネルギー消費量が多いが、社内のエンジニアは少なくなっており第3者で実施するCxは魅力的と感じる。製薬工場などの特殊工場でのCxの取り組み実例について教えて頂きたい。
A:特殊工場に関するCx事例は少ない状況だと思う。CR(クリーンルーム)などに関しては実例がある。DC(データセンター)ではCxが行われており、停復電業務に関する専門家なども参画している。製薬工場でも各種専門家とチームを組むようなことができればよいのではないか。
Q:Cxの失敗事例があれば教えて欲しい。
A:現在までCxが失敗した経験は無い。なお、第3者の目線でオーナーと各種協議行う際にオーナーの意見とCxの方向性が合わなくなる事例はある。
Q:Cxは省エネだけが目的ではないと思う。今回のヒアリング等で、現場でどのようなニーズがあるかオーナーの声を聞かれたか。
A:Cxが省エネに効果的であることは皆さん認識されている。ご質問の通り省エネ以外に、どうすれば展開できるかは判っていないと感じられる。省エネが起点となって、BCP等に展開することも十分あり得ると思う。
活動実績 活動予定 他
◆協会活動実績 (2026/3)
2026年3月 4日 BSCAシンポジウム「コミッショニングで実現する既存ビルの省エネ―診断ツールから日米の最新事例まで―」
◆協会活動予定 (2026/4~2026/5)
2026年4月27日 2026年度第1回理事会、2026年度第1回企画運営委員会
2026年5月13日 第22期通常総会、特別講演会、技術交流会
◆編集者より
例年よりも少し早い春の訪れとなり、卒業式、入学式のシーズンとなりました。子どもの卒業とともに保護者代表として関わってきた母校への学校支援活動も卒業です。コロナ禍では各教室にモニタリングシステムを設置し、健康管理と換気行動に関する論文発表を行った思い出深い校舎もあと少しで70歳を迎えます。これからは私もOBの一人として温かく見守りながら、エネルギーなど次のステージでの支援活動へとつなげていきたいなぁ、と考えている今日この頃です。
◆編集長より
3月も終わりに近づき関西各地でも桜に関するニュースが流れるようになりました。この季節になると思い出すのが京都市円山公園のしだれ桜です。学生の頃、夜の円山公園でこの桜を見て感動しました。あれから40年以上が過ぎましたが、今も記憶は鮮明です。読者の皆さんにも忘れられない桜の記憶があるのではないでしょうか。記憶の桜を訪ねてみるのも一興かと思います。
◆企画制作
編集者:天野(建築設備コミッショニング協会 企画運営委員)
編集長:大石(建築設備コミッショニング協会 企画運営委員)
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