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2005(H17)年度 受託調査研究
設立初年度より、当法人では社会啓発活動の一環としてコミッショニング過程に関する調査研究受託の獲得に力を尽くしています。
蓄熱式空調システムの当初性能検証過程実践マニュアル(本編・ 実施例編・文書化編)
地域冷暖房熱源システムの復コミッショニングと最適運転に関する研究
蓄熱式空調システムの当初性能検証過程実践マニュアル(本編・ 実施例編・文書化編)

 委託機関:財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター
 研究実施:2005年8月〜20063
 研究担当:松田則雄、中原信生

  最近の空調システムは、省エネルギーと省コスト、電力負荷平準化などについてますます高度な性能が求められており、システムは複雑化し、生産過程(設計・施工)及び運転管理過程に求める技術レベルも高度なものとなっている。しかし、ビル用エネルギーシステムでなんらかの欠陥のあるものは、その原因がシステムの生産過程と運転管理過程のあらゆる場面に存在するのが一般的だ。「気がついたときには後の祭り」ということが多かったのも事実である。
一方、空調システムにおけるパッケージ方式の増加、機器のユニット化や工法の簡素化、工期の短縮などがシステム全体への設備技術者の関心を薄くしており、システム全体を把握できる高度な技術を持つ技術者が年々少なくなってきている。個人の技量によらず、ひとつの管理システムとして、空調システムの生産過程からの「性能検証」を行うことは不可欠な時代になってきている。
 「性能検証」については、空気調和・衛生工学会から建築設備の性能検証過程指針が発表されその基本的なあり方が提示されてきており、蓄熱システムについても、性能検証のあり方を明確にできる時期になってきた。
(財)ヒートポンプ蓄熱センターでは、2002年から「蓄熱式空調システムの性能評価及び性能検証」の研究をすすめてきたが、その研究成果を2004年度、当財団が社会普及啓発用に「蓄熱式空調システムの当初性能検証過程実践マニュアル」(水蓄熱編) としてまとめた。その後、性能検証業務を実際に押し進めるためには、具体的な物件のなかで、いかに行うか、より詳細な情報が必要であるとの観点から、本マニュアルを作成した。
氷蓄熱システムまで含めた実際の物件を想定し、文書化の解説・注意点と例題を各工程ごとに示し、最新の実施例情報を加えている。また、性能検証過程管理ツールであるMQCを本マニュアルに整合・カスタマイズし、埋め込んだ。性能検証を実際に行おうとする人が容易に利用できるように配慮したマニュアルである。
この種の実施マニュアルと文書化の集大成はわが国では初めてのもので、文書記述例は建築設備の性能検証過程全般のモデルとして応用可能。蓄熱システムのみでなく、空調システム、さらには建築設備システムの性能検証過程推進のための具体的な文書化体系モデルができたといえる。性能検証プロセスの普及と、建設生産における社会システムの公正化へ大きな一歩となろう。
 「プロセス本編」「実施例編」1冊、別冊の「文書化編」の2冊構成となる。「文書編」では、性能検証に関わる文書の記述レベルを文書名だけのレベル1からすべての詳細記述のレベル7まで7段階に区分し、とくに今までの日本の生産プロセスになじみの薄い文書を重点的に詳細記述。文書化の意義と概要、性能検証過程で作成される文書の種類・性格を分析しつつ、プロジェクトの運営管理で称される文書のテンプレートを収録。性能検証プロセスの各フェーズ、段階ごとに例題作成方針に基づいて文書例題を紹介し、末尾では参考文書も掲載。

[本編 目次] 
 第1章 蓄熱式空調システムと性能検証                  
 第2章 性能検証作業の概要
第3章 新築建物の蓄熱システムの性能検証過程 
3.1概要
3.2企画フェーズの性能検証               
3.3 設計フェーズの性能検証  
3.4工事発注フェーズの性能検証  
3.5施工フェーズの性能検証  
 3.6運転フェーズの性能検証       
第4章 付録

[実施例編 目次]                          
1 晴海アイランド熱供給施設における実施例            
2 株式会社山武環境技術センターにおける性能検証     
3 中部電力岐阜ビルの蓄熱システムの性能検証実施例    
4 東電立川の性能検証実施例 

[文書化編 目次]                 
第1章.性能検証過程と文書化               
第2章 プロジェクトの運営と文書化
第3章 企画フェーズ
第4章 設計フェーズ
第5章 施工フェーズ
第6章 運転フェーズ

ヒートポンプ・蓄熱センターのホームページ

地域冷暖房熱源システムの復コミッショニングと最適運転に関する研究

 委託機関: 関西電力株式会社
 研究実施:2005年7月〜2006年3月
 研究担当: 京都大学 吉田治典研究室
 地球温暖化などの環境問題が取り上げられるなか、大気中の有害廃棄物減少やエネルギーの高効率化を可能とする地域冷暖房(以下DHC)が注目を浴び、日本でも1970 年初頭より計画されてきた。しかし実際のDHC では、余剰能力が大きい、供給熱量に対して搬送動力が大きいなどの理由からシステムCOP が1.0 を切るという報告も見られる。DHC の運営段階では、実際の需要に見合った運転方法を行い、エネルギー供給の安定性に加えて省エネルギー性や経済性を高めることが重要である。
 本研究では、大阪市中之島六丁目西地区で12 年の運用実績がある地域冷暖房の熱源システム性能検証(復コミッショニング)を行い、プラントをシミュレーションモデルとしてコンピュータ上に構築し、運転最適化の試行を実施した。この地域冷暖房供給施設(プラント)は、事務所と厚生施設の2 つの建物に対し、1992年11 月より冷熱・温熱を供給している。3 種類の蓄熱槽と4 種類の熱源から成り、一年中温熱・冷熱の需要があり、熟練した運転員が天候・曜日などの負荷状況や次の日の負荷予測を経験的に行いながら運転しており、運転方法が複雑である。システムCOP は2004 年2.02、2003 年1.89 と、多くの地域冷暖房の平均値より若干低めで、より省エネルギー、低コストの運転方策が求められていた。
 具体的な研究成果としては、

1)運転モードの分類と自動判定の方法、可視化手法を解説

2)中央監視盤のデータを運転モードに判定し、それを用いてプラントの運転方法を検証

3)熱源システムの各構成要素について機器特性に基づいたモデルを作成、モデルを用いて各機器の性能を検証

4)モデルを連結し、熱源システム全体の現象を表現するモデルを作成

5)最適化のためには運転員の判断もモデル化する必要があるため、それぞれの運転モードにおける各機器の運転状態の制御のモデル化

6)熱源システムのモデルの検証 (2005年夏期2ヶ月間の実測値と計算値のシステム全体の消費電力誤差は1.6%)

7)作成したシミュレーションモデルを用いて、冷凍機サブシステムにおける冷却水入口温度の最適化、各種運転モードのケーススタディ、供給先の戻り温度と流量が変化した場合のケーススタディを行い、省エネルギー性、CO2 削減効果を分析

 1:運転モードの分類と可視化により、氷蓄熱槽の隔日運転など運転方法の課題を抽出

 2:冷凍機サブシステムで冷却水入口温度制御設定値を最適化。冷水入口温度制御設定値22oCで冷凍機と冷却塔ファンの消費電力は最小となり、消費電力2.2%, コスト2.8% の削減

 3:COP の低い氷蓄熱槽サブシステムを使用しないケースを検討。消費電力は18.3% 減少するが、供給規定の冷水送り温度7oCが保てない時間帯が見られた。供給先と交渉しお互いに供給規定を見直すことが全体的な省エネ/省コストになる場合もあり、ユーザー側との連携した運転が今後の課題

 4:流量が多く温度差がつかないという問題が解消すればどれ程効果があるかを見るため、冷水戻り温度と流量のケーススタディを行った。戻り温度13.5oC の場合、システム全体の消費電力9.5%、コスト11.6% が削減され大きな効果があった

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2006(H18)年度 受託調査研究へ

特定非営利活動法人 建築設備コミッショニング協会
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